必要だから生える

確かに、私たち普段生活する上で、体毛のことをほとんど意識することはありませんから、生えているだけでその見た目が悪くなってしまうという理由から、体毛がムダ毛といった表現で呼ばれてしまうことも少なくありません。実際、永久脱毛という方法は、ムダ毛を完全に撲滅しようという発想の末に選択されることになるわけですから、まさにムダな毛という扱いであるといえるでしょう。

ただ、人間の、いや、地球上の生命のあらゆる進化や発達には無意味なことなどありませんので、ムダ毛だってほんとうはムダではないはずです。ただ、人間の価値観というのは、進化や発達のメカニズムとはまったく関係のないところに生まれることも珍しいことではないため、私たちの体毛である以上、ムダ毛という発想も仕方がないと言わなければなりません。

ただ、どうせ抜いてしまうのだからメカニズムなどどうでもいい・・・という発想も少々残念な気もするので、意味ある存在としてのムダ毛のことを、少し理解していただきたいという気持ちで、ここではムダ毛を抜くことではなく、生えていることの意味のほうに少しスポットを当ててみたいと思います。

ムダ毛が生える理由

まずは、ムダ毛がなぜ生えるか、ということについてですが、ムダ毛の発生にはすべて意味があります。意味のないムダ毛などあり得ません。人間をはじめとする動物にとっての防衛に対する適応として、ムダ毛が生えるという理由が一番わかりやすく、また良く知られるところかと思います。

たとえば頭部や陰部など、急所になるところは体毛で覆われます。また、心臓などは、体毛ではありませんが、何本もの骨で覆われ、厳重に格納されています。鼻毛は、異物の混入と冷気の直接的な吸入を防ぐ意味で重要ですし、まつげは異物の混入を防ぐ意味で欠かせません。

ムダ毛をはじめとする体毛は、上記のような防衛への適応だけが理由で発生するわけではありません。他に、感度を高める意味でも重要な意味をなします。どういうことかというと、これも突き詰めれば防衛への適応と言えば言えるのですが、たとえば万一危険が忍び寄っていたとすると、皮膚で感じる前に、体毛で感じることができるというメリットが生まれることになります。

危険の察知が早ければそれだけ危険回避のチャンスは大きくなります。つまり、ムダ毛と呼ばれる体毛を取り除いてしまうということは、危険回避のチャンスを自ら狭めることにもつながっているということになります。

ネコは、顔から飛び出すような勢いで長いヒゲが伸びていますが、これは、空気の流れや湿度などを測るレーダーとしての役割があると言われています。実は人間の体毛にもそういった意味合いが含まれていますが、この部分の役割はもうすでに退化していると考えられます。ただ、実はこのことは、体温を適正に保つ上では非常に重要な意味を持っています。

とはいえ、感覚器官としての役割は失われているとしても、体温調節の機能に関しては、体毛は未だ重要な意味を持っていますので、いくらムダ毛だからといって、やはりあまりにもムゲに扱いすぎてしまうのも、けっこう問題だったりするのではないかなどと、個人的には考えています。

体毛(ムダ毛)発生のメカニズムとその成り立ち

おそらく多くの人が一度は耳にしたことがあると思いますが、発毛のメカニズムを知る上で非常に重要になってくるのが、毛乳頭と呼ばれる部位と、その周辺にある毛母細胞と呼ばれる細胞です。

毛母細胞というのは、発毛を促進するための成長細胞の一種ですから、この細胞がダメージを受けてしまうと、発毛しなくなってしまったり、脱毛症を発症したり、いろいろなトラブルにつながってきます。人間の場合、特に頭髪をめぐるトラブルで、この症状が起こりやすいことはすでにみなさんもご存知のことと思います。

そして毛乳頭という部位ですが、これは、体毛を木の幹にたとえるとするなら、その根っこが埋まっている土の部分であるといえます。毛乳頭と毛母細胞は互いに密な連携をはかりながら、発毛と体毛の成長の役割を担います。毛乳頭から毛母細胞に発毛に必要な栄養を送り込むことで、発生や成長に有効な働きをします。

そして、毛乳頭の部分に体毛の根っこのような形で生えるのが、毛球(もうきゅう)と呼ばれる毛の一部です。これはまさに、木の根と同じであり、この部分が頭皮(毛穴)にしっかりと根を生やすことになります。

根をはやすのはあくまでも毛球の部分ですが、毛穴の中に埋まっているのは、毛球ばかりではありません。毛球だけではすぐに毛が抜けてしまうため、これを避けるためにも、毛球から少し上の部分まで皮下(毛穴)に埋まるようにして毛が生えていきます。この、皮下に埋まっている部分すべてを毛根(もうこん)と呼びます。つまり、毛根の部分が1本の体毛を支えることになるのです。

そして、表皮の上に現れている部分を、毛幹(もうかん)と呼びます。ですから私たちの体毛は、目に見えて現れている毛幹の部分と、目に見えない毛根の部分とから成り立っているということがお分かりいただけるかと思います。

発毛の周期について

発毛には一定のサイクルがありますが、これは、私たちの体毛の一生(発生から脱毛までのサイクル)が重要な意味を持ってきます。このサイクルは、発生期、成長期、休止期、退行期の4つの時期によって分類され、これらがひとつのサイクルをつくっています。

発生期には、毛乳頭の顕著な働きが見られます。つまり、毛母細胞への栄養が頻繁に運ばれる時期であるということになります。もしその場所(毛穴)に何もなければ、そのまま新しい体毛が発生しますが、すでに古い体毛が生えている場合、その毛が押し出されるようにして脱毛していきます。

次に成長期ですが、これは文字通り発生した毛が成長し、太さ、長さ、強さを増していく時期であるといえます。これらの成長は、毛母細胞のさかんな細胞分裂によって顕著化されます。男性、女性によってこの期間の年数が多少異なり、たとえば毛髪を例に挙げるとするならば、男性よりも女性のほうが長期間にわたって成長を続けることがわかっています。

休止期は、体毛の成長が完全に止まる時期です。新たな発生・成長がない時期ですから、毛乳頭は徐々に退化していき、小さくなります。そのため、毛球が従来の位置よりも上昇し、いわば宙ぶらりんのような状態で2か月~3か月の間とどまることになります。

休止期を経た体毛は、やがて退行期と呼ばれる時期に差し掛かっていきます。毛乳頭と毛母細胞がずっと一体になって活動してきましたが、この時期になると、毛乳頭と毛母細胞は完全に分離し、一切の連携がなくなります。これによって、毛乳頭からの毛母細胞への栄養補給が一切停止することになりますので、時間とともに体毛は衰えていき、やがて抜け落ち、その一生を終えることになります。

以上が、体毛のサイクルになります。ちなみに私たちが脱毛するムダ毛というのは、主に発生期の毛(一部はうぶ毛)と、成長期の毛ということになります。というのも、やはり成長期の毛の本数が、他の時期の毛の本数よりも明らかに多いということから、どうしてもそういうことになりやすいという事情もあります。もちろん光やレーザーが過敏に反応しやすい毛であるとも言えます。

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